[競技説明!] WSCの4つの競技のルールは?
- WSC Information
- Nov 26, 2023
- 9 min read
Updated: Jan 14, 2024
[Team Debate]
Team Debate では二つのチーム同士で英語でディベートをします。3つのラウンドがあり、最初のラウンドはランダムで対戦相手と組まれますが、2・3ラウンドは勝者・敗者同士で対戦するスイスドロー方式です。また、即興ディベートであり、事前準備などができず、その場でモーション(論題)が提示されます。モーションはその年のWSCのテーマに沿って作られています。個性的なモーションが多く、発想力も必要です(例 ~ Resolved: That we should de-extinct Neanderthals, Resolved: That high school students should participate in the making of newspapers, etc. )。
ディベートの形式は以下のようになっています(ジャッジなどによって少し変わるかもしれません):
モーションの提示から15分間のチームでの準備
ここの準備時間では電子機器を使った調べものは可能
ディベート開始
電子機器などは片づける
肯定側チーム・否定側チームが交互にスピーチをしていく(計6スピーチ)
一人4分間のスピーチ
チーム内でのスピーカーの順番は自由
スピーチと次のスピーチの間には1分間の準備時間がある
フィードバック
チーム同士でお互いに対してそれぞれ90秒間のフィードバックを行う
フィードバックの準備時間は90秒間ある
ジャッジからの勝敗発表
ジャッジからのフィードバックは禁止されているため、もらうことはできない
評価基準ですが、表現力(話し方・態度)、戦略(ストラクチャー・レトリック)、内容(エビデンス・反駁)、チームワーク(一貫性・態度)、フィードバック(有用性・相手に対する尊重)の5つの評価軸があります。細かい評価基準はWSCのウェブサイトに載っているため、詳細を知りたい方はこちらへ!
経験からすると、やはり表現力に重みが置かれることが多いです。内容が成り立っているのはもちろん大切ですが、ジャッジの中にも初心者の方がいらっしゃるため、表に現れる話し方や態度、視線やジェスチャーに注目されやすいです。また、WSCの出題範囲のリサーチをするにあたって学んだことをスピーチに入れるとジャッジに好印象を持たれます!
(勉強法)
英語ディベートはとにかく慣れておくことが大切です!慣れると自信に繋がり、話しやすくなります。そこでお勧めの勉強法がいくつかあります:
1. 学校の英語ディベート部に入ってみること
学校に英語ディベート部がある人はぜひ入ってみると良いです!多くの仲間と対面でディベートすることで、自然とディベート中に使うと便利な表現・反駁のしかた・上手な話し方を周りの先輩や顧問の先生から学ぶことができます。私たち3人も全員ディベート部に入っていて、大会直前は一緒のチームとして先輩チームと対戦させてもらっていました。
また、日本語ディベート部しかない、という方でも、建設的な議論の立てかたを知ることができるため、ぜひ入部してみて下さい!
2. オンラインディベート
学校にディベート部がない方、または部活外でも練習したい方はオンラインでディベートすることをお勧めします。オンラインだと学校以外の知り合いと対戦して新しい視点からのフィードバックなどを貰う良いチャンスになります。
そこでお勧めしたいのがmixideaというオンラインディベート学校です!
mixideaは申し込むだけで世界中のディベート経験者にディベートを教わり、練習することができます。チームとして練習試合に参加することができますし、個人として参加し、同じコースに申し込んだ他の中学生や高校生と一緒のチームになることもできます。
実際に私たちもmixideaを通して世界中の高校生と練習試合をしてみたり、初心者のディベーターの講師もやっていました。ディベート力がつくだけではなく、様々な人と交流ができて、とても楽しかったです。
詳細はこちらへ!
(以下mixideaの紹介動画です。)
[Scholar’s Challenge]
Scholar’s Challenge は唯一チームではなく個人としてやるもので、ペーパーテストです。毎年WSCは新たなテーマに沿った出題範囲をウェブサイトに公開するのですが、それに沿った問題が100題ほど出ます。
出題形式は選択問題です。1問につきAからEの5択があり、最も適切な答えをマークシートに塗りつぶします。しかし、そこで普通のテストと違うのが、答えを複数選択することができることです。正解の答えは1問につき1つしかないのですが、複数を選択してその中で正解の答えがあった場合、部分点をもらうことができます(例:Eが正解の答えで、AとEを選択した場合=½点、AとBとEを選択した場合=⅓点)。
(勉強法)
とにかく出題範囲が広いので、早めに勉強を始めることが大切です。そこでお勧めの勉強の手順をシェアします。
1. 出題範囲についてのリサーチをを役割分担する
WSCによって公開される出題範囲についてリサーチをする必要があります。しかし、出題範囲がとても広く、一人で全てを深く調べるのは難しいので、チーム内で分担しましょう!出題範囲は小テーマごとに分かれているのでそれを基準に分担するのをお勧めします。
2. リサーチをする(するに当たってのコツ)

以上の画像は2023年のWSCの出題範囲の一部を抜き取ったものです。以上から見られるように、出題範囲には主に3種類のものがあります:
a) リンク
出題の文章中にリンク(青い文字)が入っていることが多いです。このリンクを全
て開き、ウェブページの内容を確認しましょう。出題範囲には明記されていなくて
も、ウェブページに載っている内容がそのままテストに出ることがよくあります。
b)「これを調べましょう」と明記されているもの
出題範囲にそのまま「これらのポエムの意味を調べましょう」「これらの曲を聞き
比べてみましょう」など、明確に何を調べなくてはならないのかが書いてあるところもあります。リンクと比べて、自分からウェブページなどを見つける必要があるため、リサーチ力が問われます。また、この形式はよく文学・音楽・芸術品(上の画像ではビデオゲーム)に関係するところで使われますが、直接聞かれていることだけではなく作品一つひとつの背景もしっかり調べると良いです!
c)「チームのメンバーとこれについて話し合いましょう」
よく出てくる文です。これらの質問ではリサーチではなく個人の考えなどが問われ
ているため、調べる必要はありません。また、ペーパーテストとチームクイズに出ることもありません。そのため、こういうような質問について話し合うことの優先順位は低くしてもよいと思います。しかし、エッセイのトピックとディベートの論題に関連してくるときもあるので、時間があったらぜひチームで考えて話し合ってみましょう!
3. リサーチ内容をまとめて他のチームメンバーと共有する
以上のリサーチの手順に基づいて調べた内容をまとめ、他のメンバーも見て勉強できるようにするとよいです。これのやり方は人それぞれで、手書きのノートにまとめる人やオンライン上にまとめる人など色々あります。そこで、私たちが使った方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください!
Quizletというウェブサイトを使いました!Quizletではフラッシュカードをオンライン上で自分たちで自由に言葉を打ち込んで作成するとができます。また、作成したフラッシュカードを他人とできます。また、作成したフラッシュカードを他人と共有したり、共同編集をすることも可能なので、WSCの勉強に適しています!さらに、オンライン上で作成したフラッシュカードを一覧表として印刷し、持ち歩くこともできます。ぜひ活用してみてください!

[Scholar’s Bowl]
Scholar’s Bowl ではチームクイズをします。会場に集まり、チームごとにAからEの5つのボタンのついたクリッカーがひとつ渡されます。質問が大きなスクリーンに映し出され、限られた時間内でチーム内で話し合い、AからEの中の選択肢の中から一つを選び該当のボタンを押します。ペーパーテストと違い、正解の答えはその場で運営側によって公開され、とてもハイテンションで楽しい早押しクイズです!
(勉強法)
勉強法は基本的に Scholar’s Challenge と同じです。しかし、Scholar’s Bowl ではチームで参加するので、チーム内で最低一人が答えをわかっていれば良いです。そのため、勉強を役割分担するのが効果的かもしれません。Scholar’s Bowl のみ他の競技の次の日に行われるので、競技の1日目が終わった夜に分担して狭く深く覚えるのをお勧めします。

[Collaborative Writing]
Collaborative Writing ではエッセイをチームと協力しながら書きます。形式は自由です。テーマに沿ってさえいれば、ストーリーやポエム、5段落エッセイなど、何でも通用します。
流れは以下のようになっています:
1. お題の載った紙が配られる
WSCの出題範囲のもとで、6つの分野(science, history, literature&media, など)ごとに一つずつお題が提示されます。
2. 準備時間(チーム)(20分)
チーム内でそれぞれのメンバーがどのお題について書きたいかを相談して決めます(原則ひとり一題、重なるのは禁止です)。また、どういう内容にしたいかも相談することができます。この時間で作文の中で使えそうな例などをお互いに出し合うのをお勧めします。
3. 書く時間(個人)(40分)
準備時間のあと個人作業にうつり、それぞれのメンバーが各テーマに沿った作文を書き上げます。チーム内の相談は一切禁止です。
4. レビュー時間(チーム)(15分)
またチーム内での作業に移ります。お互いが書いた作文を読みあい、確認することができます。訂正することも全然可能です。違う目線から作文を見てもらえるのは大事なことなので、最大限にこの時間を活かしましょう!
評価基準ですが、分かりやすさ(字・ストラクチャー・文法・スペリング)、内容(関連性・一貫性)、スタイル(言葉遣い・ボキャブラリー・魅力的か)、オリジナリティ(独創性・印象的か)の4つの評価軸があります。細かい評価基準はWSCのウェブサイトに載っているため、詳細を知りたい方はこちらへ!
経験からすると、ジャッジの好みにもよりますが、ポエムなどの独創的でクリエイティブな作文が高い評価を得やすいです。無理してポエムなどを書く必要は全然ありませんが、自己流のツイストを入れてみると良いかもしれません。また、WSCの出題範囲のリサーチの内容を入れると高評価になります(実際に評価対象の一つとして入っています)。
(勉強法)
Collaborative writing は慣れるのが一番重要です!時間が限られている中で作文を書くのはやはり経験がないと、ぶっつけ本番でやるのはとても難しいです。
そのため、タイマーを使って一回チーム全員で模擬練習をしてみましょう!そうするとチーム内での準備時間の効率的な活用方法などが自然と見つかるでしょう。お題は出題範囲の中の問いを拾ってくると良いです。
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